愚かなる独白

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ろくでなしの雑記

エンタテイメントの作り方

 小説家志望の方々におすすめの本を紹介します。

 僕の尊敬する作家の一人、貴志祐介氏の著書『エンタテイメントの作り方』です。

エンタテインメントの作り方

エンタテインメントの作り方

 

  貴志祐介とは、ホラー、ミステリ、SFで文芸賞を受賞し、『黒い家』『悪の教典』『新世界より』とミリオンセラーを出し続ける男。

 

 この本は、そんな彼がどのように考え、アイデアを収集し、物語を紡いでいるのか。読者の心を鷲掴みにするストーリー展開の秘訣や、影響を受けた作品などなど、小説を書くにあたってのノウハウが書かれている本です。

 

・「もし○○が××だったら」という発想を持て

・アイデアの磨き方

・ストーリーには複数のエンジンが必要

・「どんでん返し」という構成のリスク

・フィクションにも論理が必要だ

・登場人物の命名には気をつけろ

・一行目をどう書き始めるべきか

・小説の手法は「水墨画」ではなく「油絵」

・読者の感情移入を促す仕掛け

・新人賞を攻略するために

etc

 

 このように、参考になることが他にも沢山書いてあります。

 

 この本を読むと、大衆文学(エンタメ小説)を書く上での、一つの大事な考え方がわかります。例えば、

 ディテールを詰めていく作業は、創作の醍醐味とも言える楽しい部分だ。しかし一方で、自由度の高さゆえに、なかなか決断できないこともあるだろう。なにしろ、何が正解なのかは誰にもわからないことなのだ。

 この際、判断基準となるべきことはただ一つ、それが「面白い」かどうかである。 

 エンタテイメントは、万人にとってストレスなく読み進められるものであることが、第一条件であると私は考えている。

 

〜中略〜

 

 語彙の多い人というのは、ついつい難しい言葉を使いたくなるものだが、小説を書く上ではむしろ、語彙は”表現をわかりやすく言い換えるため”に活用すべきなのだ。

 文章表現はシンプルであるほどいい。私はそう断言したい。

 

〜中略〜

 

 カッコイイ文章を売りにしようと考えることには、マイナス面の方が多いと言っていいだろう。文章の見映えで点数を稼ごうとするのではなく、文章の内容でいかに減点されないかを考えるべきだ。

 

 こんなことが度々書いてあります。

 つまり、エンタテイメントにおいては、いかに読者を楽しませるかを第一優先にすべきであって「気の利いたことを言おう」とか、「格好つけよう」といった考え方はするべきではないということです。

「楽しませる」この気持ちが大事なんですね。

 

 

 仮に小説家を目指していない人でも、貴志祐介の作品が好きだよ、という方ならこの本は十分に楽しめる内容になっています。

 何故なら、

 

・防犯探偵、榎本のモデルとの出会い

・デビュー作『ISOLA』を書いたときのこと

・『黒い家』の発想はこうして生まれた

・『新世界より』の舞台が1,000年後の日本だった理由

・「引き算」の手法で設計された蓮見聖司

 

 このような、貴志祐介ファンなら気になる情報も沢山載っているからです。

 

 

 

 なので小説家志望の方も、貴志祐介ファンの方も、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

黒い家 (角川ホラー文庫)

黒い家 (角川ホラー文庫)

 

 

新世界より(上) (講談社文庫)

新世界より(上) (講談社文庫)

 

 

天使の囀り (角川ホラー文庫)

天使の囀り (角川ホラー文庫)

 

 

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

 

  僕のおすすめの貴志祐介作品。絶対ハマる。