愚かなる独白

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愚かなる独白

ろくでなしの雑記

題名からして詐欺である最高の映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

ウルフ・オブ・ウォールストリート [DVD]

 

あらすじ

学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)。巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを次々と繰り出しては業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでに。富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。しかし、その先には思いがけない転落が待ち受けていた。

 

 

youtu.be

 

 

 

なんで今この映画?と思うかもしれないが、

先日たまたま家でBlu-rayで観たので書いてみようと思った。 

 

 

 

この映画、とにかく最高!

 

金!暴力!ドラッグ!セックス!

ブラックなジョークが満載。全編通して不謹慎。登場人物は全員アホ。

なんでもありで、テンポよく、まさにジェットコースター映画。

 

序盤の主人公の自己紹介からいきなり不謹慎ネタで入る。ここで一気に心を掴まれる。

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主人公のジョーダンベルフォードは年収49億円。そこから、彼はどうやってここまで上り詰めたのかを振り返っていく。

 

ジョーダンはまだ新米の22歳。そこでのディカプリオはちゃんと新人らしい初々しさが出ていて流石の演技力。

まだ彼は「客にも稼がせよう」と青臭いことを言っている。だがそんな彼に対してマシューマコノヒー演じる上司が本質を説く。「この世界はいかに騙すかだ」これでいいんだと。

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そこからジョーダンはその上司の教えを体現して、どんどん荒稼ぎする。

ただ彼のいたウォール街の会社は潰れて、その後ウォール街から出ているので『ウルフオブウォールストリート』て題名嘘じゃん。

ジョーダンベルフォード自身が実際にそういうあだ名で呼ばれていたのかどうか知らないが、ここにも彼の胡散臭さが出ていて面白い。

 

 

そしてアトラクションのように目まぐるしく進み、ブラックなユーモアを混ぜながら展開していく。というかほとんどセックスとドラッグ。

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確かにこの映画の主人公は悪事で金を稼ぎまくり、下品なことばかりしているが、その分のリスクをとっている。悪いことをしているという部分を抜きにして考えると、結局金を持つということはそれだけ犠牲も伴うということで、「俺はこういう道を選んだんだ!文句あんのか」という主人公の叫びのようなものが聞こえてきて、なぜか熱くなれる。

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勿論冷静に考えれば良くないことでおかしいのだが、どうも観ている内に自分の中の倫理観が破壊されていく感覚に陥った。

  

そして最後に突きつけてくるものはとても大きく重い。

ジョーダンの講演会にきている客が映し出されるが、一目見るだけで冴えない奴らだということがわかる。これは「お前らだよ」ということだ。

 

こういう部分が非常に不愉快だと感じる人も多いだろう。だがそれにはある種の負け惜しみや嫉妬も含んでいることだろう。

そう言われると人は反論する。「悪いことやって稼いでるんだろ」と。

 

確かにそうだが、良い悪いを語りだすとキリがない。

そもそも「良い」とか「悪い」という概念自体人間が勝手に作り出したもので、そんなもの本来はない。極端に言えば、殺人だって良くもなければ別に悪くもない。ただそういう事実があるだけだ。だがそれだと秩序が保てないから法律という線引きをしているだけに過ぎない。そして国家の「力」、ここではあえて「暴力」というが、それによって無理矢理守らせているだけだ。もし自分が国家の暴力に負けない力があるのなら法律を守る必要性なんてない。そりゃそうだ。ルールを守らせる側より力が強ければルールなんて成立しない。

 

そう考えた時確かに、結局悪いことだろうがなんだろうが、リスクをとって行動した俺は勝ち組で、そこに突っ立ってるお前は負け組だ。ということは間違ってはいないだろう。ジョーダンは逮捕された。それでも講演会などで金を稼いでいるし、特に制裁を受けるわけでもない。

そういう意味で、非常に本質的なことを語っている映画だと思う。それを不快だと思うのは力がないから他人の決めたルールを守るしかない奴の負け惜しみなんだよと。

勿論国家に勝てる個人なんていないからそんなこと現実にはないのだが、実際法律を犯していても捕まっていない奴はたくさんいる。正々堂々やりあって勝てるほど力は強くないが、うまくやって逃れる。これもある意味力と言えよう。

 

自分も好き勝手やればいい。自分も好き勝手やって、金を稼いで欲を満たして楽しく過ごせばいい。でもできない。そこまで賢くないし根性もないし強くないから。だからルールを守り、破るやつを必死に否定し、不快になるしかない。「おいお前ルール守れよ」と言うしかない。

 

それにこの映画を不快だといって否定する人は、ジョーダンのカリスマ性や演説力があるからここまで稼げたことを無視している。悪いことだろうと良いことだろうと、結局無能では成功できない。彼はバカだが能力は高かったと言わざるを得ないだろう。

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そして、音楽的なセンスというかリズム感が凄い。スコセッシ特有のリズム感のあるカッコイイ編集で、観ているだけで気分が高揚する。

 

 

 

それにしても、

タイタニック』のイケメン好青年が 

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これだからなぁ

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時の経過というのは無慈悲である。 

 

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ウルフ・オブ・ウォールストリート 上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
 
ウルフ・オブ・ウォールストリート 下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
 

 

ちなみに最低最悪のポパイネタが一番笑えた。観ればわかる。