狂った漫画を読みたい人はとりあえずこれを読むのだ!【松本次郎】
みなさんは松本次郎という漫画家を知っていますか?
松本次郎は僕が崇拝する漫画家の一人だ。特徴を一言で言い表すと「尖ってる」という感じだろうか。とにかく尖っていて狂っている。登場人物は基本的にキチガイばかりで、漫画の内容も難解なものが多い。
内容もさることながら、絵柄も独特だ。線が2重3重に重なってて、乱雑に描き殴ったように見える。だが実はよく描き込んでいて、こだわりがあるように思う。それでもおそらくほとんどの人にとって受け入れがたい画風だろう。
『べっちんとまんだら』から
しかし、そんな狂った世界を狂った絵柄で作り出す松本次郎は、とてつもない魅力にあふれている。
僕が一番初めに読んだ彼の作品は『フリージア』という漫画だった。
何か面白い漫画はないかと探していて、たまたま見つけた『フリージア』。これを読んだ時、なんだかヒリヒリする感覚を覚えた。心がヒリヒリするような独特の感覚だった。緊張感が強すぎて居心地の悪いような。かといって不快というわけでもなく、読んでいる内に癖になる妙な体験だった。
それから僕は松本次郎作品を読み漁った。そこでわかったことは、この作家は映画が好きなのだろうということだった。表現がとにかく映像的だ。二つ以上の場面を同時進行で描くカットバックという手法をよく使うし、ズームイン、ズームバックを上手く使い状況説明している。さらに、静と動の緩急をつけることで緊迫感を出すのが上手い。
『地獄のアリス』 1巻から
引用元(http://comic-twitter.blog.so-net.ne.jp/jigokunoalice)
そして僕が個人的に思ったことだが、短編の切れ味が凄いということ。
そこで今回は、松本次郎作品の中でもわりと読みやすい短編を紹介しようと思う。それが一番上にリンクのある『革命家の午後』という漫画だ。
『革命家の午後』は5本の短編が収録されており、最後にあとがきがある。
革命家の午後
アパートに住むマキとの隣の部屋には、エマという革命家がいた。だがある日エマは自殺してしまった。大家に頼まれて彼女の部屋片付けをしていたマキの元に、エマの仲間のユーリという男がやってきた。ユーリはマキのことをエマと勘違いして、マキはエマのふりをすることになった。
革命家の午後2
セルゲイというメガネデブの家に変な女がいて、セルゲイがテロリストと疑われたり、なんやかんやある話。
砂漠の魔女
重傷を負った男が砂漠で死にかけていると、目の前に魔女が現れた。喉が渇いていた男が魔女の小便を飲むと傷が治る。そしてなんとか生き残った男だったが……
竹山君の日常
吸血鬼であること以外はごく普通の青年である竹山君の日常を描いた作品。
雑兵敗走記
戦国モノのお話。合戦で生き残った二人が女の子を見つけて、その女の子を連れ去って、別の奴らに捕まったり、レイプされたり、なんやかんや。
と、まぁこんな感じの話が5本あるので気になった人は是非。
書いてる途中で疲れてきて適当になったけど、んなもん知るかよ!