愚かなる独白

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

愚かなる独白

ろくでなしの雑記

三池監督ムチャクチャなアクション映画『極道大戦争』

映画

極道大戦争



公開前から一応知ってはいたんですけど、あんま面白そうじゃなかったので無視してた映画です。でもNetflixにあったんで観てみました。

観た感想ですが、つまんなかったよ。コメディですが別に笑えなかったし、アクションも大して面白みがなかったという印象。

アクションの構図が悪いし、カメラを動かして見辛く迫力もない。と言っても主演の市原隼人の動きはやっぱりキビキビしていて良かったですね。市原隼人は基本的に演技が下手ですが、こういう不器用で野蛮な役なら似合うし良いと思います。

f:id:utakahiro:20161027012859j:plain

この映画の設定はぶっ飛んでいて確かに面白みはあるけど、なんか期待通りに進んでくれないモヤモヤがあるんですよね。

「ヤクザはカタギの血を吸って生きている。じゃあカタギが皆ヤクザになったらどうなるの?」ということから発想した設定でしょう。そう聞くと、例えばヤクザのシノギの問題だったり、社会がどう変化するのかとか、こっちはそういうのが見たいのに、本作ではその辺を全然描いてくれない。一応警察が機能しないことを示すシーンはあるが、あの程度じゃ描いたうちに入らない。

なので、カタギの血を吸って生きていたヤクザが、カタギがいなくなって困ってしまうということに切迫感もないし困っている様子が伝わらない。「この街から出ればいいじゃん」としか思わなかった。

親分が変な奴らに殺されて、市原隼人が吸血鬼になり、元いた組からも弾かれて、どんどん吸血鬼を増やしていき、吸血鬼ヤクザ対ヤクザの対決になるが、その対決だけを描いていて背景がない。つまりストーリーがない。だから肝心の戦いも全然のれない。

f:id:utakahiro:20161027012959j:plain

設定がムチャクチャだからこそディテールをしっかり描くべきだろうに、ディテールもムチャクチャだからこっちも真面目に観れないんですよね。まあそれでもギャグが面白ければ良いのだが、そのギャグも面白くない。

最強の敵がカエルの着ぐるみというのも一応ギャグだけど別に面白くないし、そういう無茶な設定や描写も、全てが作り手の”無茶のための無茶”のように見えて、それが薄ら寒いと感じた。なんていうか「ほら、狂ってるでしょ?」みたいな。

f:id:utakahiro:20161027012927j:plain

でも問題なのは、ギャグがつまらないことでも設定が荒唐無稽なことでもないと思います。なぜこの映画がつまらなくなってるかというと、やっぱり誰を応援していいかわからないからですね。上記したように、ストーリーやその背景が描写不足だから誰も応援する気にならず終始苦痛なんですよ。

なので僕は成海璃子ちゃんの唇に吸い付く妄想をして、なんとか最後まで観たが、その成海璃子ちゃんもちょっとしか出てこないし、マジで何だこのやろう!って感じです。

三池監督のような悪ふざけがすぎる独特の監督の場合、ストーリーは王道にしたほうがいいと思うんですよね。『ドライブ』の時のニコラス・ウィンディング・レフン監督みたいに。『ドライブ』は変わった手法だし独特の映画に仕上がってはいるがストーリーはバリバリ王道だから、その相性がマッチして超格好いい映画になったわけだからね。

ということで、作り手の皆さんには申し訳ないですけど、おすすめはしないかな。たいしてネタにもならそうだし……。

 

極道大戦争 プレミアム・エディション [Blu-ray]

極道大戦争 プレミアム・エディション [Blu-ray]

 
ドライヴ [Blu-ray]

ドライヴ [Blu-ray]