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ろくでなしの雑記

【大人向け】おすすめの超絶面白い漫画15選

巷で流行りの漫画は殆どが子供向けの漫画ばかり。だがこの日本には世間にはあまり知られていない、真に大人向けの漫画がたくさん存在している。今日はそんな超面白い大人向けの漫画を15作品ほど紹介したいと思う。

 

真説ザ・ワールドイズ・マイン

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス)

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス)

 

 東京都内各所で消火器爆弾を設置するモンちゃんとトシの二人組(通称トシモン)は、これといった理由もなく北海道を目指す。その道中、青森県で成り行きから連続爆破、警察署襲撃、殺人代行といった日本全土を震撼させる無差別殺戮を開始する。それは内閣総理大臣までも舞台へと引きずり出す大きな勢いとなる。時期を同じくして、北海道から津軽海峡を渡ったといわれる謎の巨大生物「ヒグマドン」が出現し、次々に人々を惨殺して東北を南下していった。「鉄人」とも呼ばれる熊撃ちの老人と、新聞記者がそれを追いかける。そして遂に3つの点が秋田県大館市で遭遇する。ここで初めてヒグマドンの全貌が明かされ、物語はアメリカ大統領すら巻き込む全世界レベルで進行していく。

ザ・ワールド・イズ・マイン - Wikipedia

紛れもない傑作。 これを初めて読んだ時の衝撃はすごかった。
非常に良くできており、映画からの引用も多い作品。
目を覆いたくなるような過激な描写も多く、人を選ぶ可能性大だが、読んでおいて損はない。

 

マンホール 

 12月のある夕暮れ、神奈川県笹原市の中央商店街に、右目が白濁した泥だらけの全裸の男が出現。道を行く大学生の男に「マ、マ」と語りかけた後突如吐血した。男はパニックに陥った大学生によって押し倒され、後頭部を強打して死亡した。検死に回されたその男の遺体から検出されたのは、謎の寄生虫だった。
 翌日、現場に落とした携帯から警察への出頭を要請された大学生、雨宮は、事情聴取の最中に突如警察署を抜け出し、署の前の道路で車に跳ねられて死亡。砕け散った遺体から這い出てきたのは、またも謎の寄生虫だった。
 笹原警察署の刑事である溝口健と井上菜緒は、全裸で変死した堀川義人の母親を訪ね、息子のギャンブルと暴力に耐えかねた両親が彼をある『施設』へ預けたことを知る。母親が唯一知っていた、その『施設』への引渡し場所へと赴くと、そこには奇妙な『マンホール』があった。そのマンホールの下に、彼らが見たものとは…!?

マンホール (漫画) - Wikipedia

寄生虫を利用した犯罪事件と、それを追う警察の攻防を描いた、バイオ・ホラー作品。
2009年に第1巻が有害図書に指定された衝撃作であるが、単にエグいだけの作品ではなく、社会派で重々しいテーマを扱っている。その意味で好き嫌いは分かれそうだ。だが完成度は高い。

 

 フロムヘル  

フロム・ヘル 上

フロム・ヘル 上

 

 1888年のロンドンが舞台。残虐な娼婦連続殺人事件が発生し、アバーライン警部が捜査に当たる。数年前に妻子を亡くしてから無気力、そして刹那的に生きていた彼は、捜査の途中で出会った赤毛の娼婦メアリーと惹かれあうようになる。被害者たちの知られざる共通項と、この殺人事件の裏にフリーメイソンが関わっているのを嗅ぎ付けたアバーライン警部だが、殺人者の手はメアリーにも伸びていた。

次はグラフィックノベルだ。グラフィックノベルとは従来の漫画とは違って文学的な内容を含んでいる。その数あるグラフィックノベルの中でも代表作であるアランムーアのフロムヘルを紹介したい。
日本の漫画とは異なり、コマの大きさや形が殆ど均一で、文芸作品のような味わい深さがある。
細部に込められた意味とニュアンスを読み解き、周到に埋め込まれた伏線を味わい尽くす紛れもない大人向けコミックだ。最高のストーリーテリングと最高の衝撃を感じたい人におすすめする。

 

リアル

 車いすバスケットボールの有力選手であり、元々はピアニストであり短距離走の有力選手であったが骨肉腫により右脚を切断、その後車イスバスケと出会い、様々な挫折や困難と闘っていく戸川清春
 小学校から高校までバスケに打ち込んでいたが、交通事故により他人を下半身不随にしてしまいその罪に苛まれ高校も中退してしまうが、戸川との出会いをきっかけにバスケットボールを中心として新たな自分の道を見出そうとする野宮朋美
 野宮の同級生でバスケ部のチームメイトであり、小学校からバスケに携わっていたが、交通事故により下半身不随になりそれを受け入れることができず、野宮と衝突するなど自尊心の強い性格であったが様々な人々との出会いにより少しずつ自分を変え、新たに車イスバスケに自分の活路を見出そうとする高橋久信
 以上の三名を中心に、現実に起こる困難と闘っていく描写に焦点が当てられる。キャッチコピーは「それぞれが向き合う現実 REAL――」。

リアル (漫画) - Wikipedia

車椅子バスケを扱っているが、それがメインというより、障害者や社会からはみ出した人間を扱った人間ドラマだ。
生々しく”リアル”を突きつけられるので読んでいて辛い部分もあるが、陳腐な言葉を使えば、非常に良く考えさせられるし感動的だ。
スラムダンクが陽だとするならリアルは陰なのかもしれない。
この漫画は大人でないと楽しめないだろう。

 

ホムンクルス 

ホムンクルス(1) (ビッグコミックス)
 

 新宿西口の一流ホテルとホームレスが溢れる公園の狭間で車上生活を送るホームレス・名越進は、医学生・伊藤学に出会い、報酬70万円を条件に第六感が芽生えるというトレパネーションという頭蓋骨に穴を開ける手術を受けることになった。その手術以降、名越は右目を瞑って左目で人間を見ると、異様な形に見えるようになった。伊藤によると「他人の深層心理が、現実のようにイメージ化されて見えているのではないか」と言い、彼はその世界をホムンクルスと名付けた。そして、名越は様々な心の闇を抱える人達と交流していく。

ホムンクルス (漫画) - Wikipedia

あの衝撃作『殺し屋1』を描いた山本英夫の『ホムンクルス』。
殺し屋1』と同じように、やはり主人公は鬱屈した人間像で、ジメジメした嫌な話であるが、シュールな設定がリアリティ溢れる描写によって上手くまとまっている。
人間の心の歪みを追求していく過程は緊張感のあるミステリーに仕上がっていて引き込まれる。

 

アドルフに告ぐ

アドルフに告ぐ 1
 

 第二次世界大戦前後のドイツにおけるナチス興亡の時代を背景に、「アドルフ」というファーストネームを持つ3人の男達(アドルフ・ヒットラー、アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミルの3人)を主軸とし「ヒトラーユダヤ人の血を引く」という機密文書を巡って、2人のアドルフ少年の友情が巨大な歴史の流れに翻弄されていく様と様々な人物の数奇な人生を描く。

アドルフに告ぐ - Wikipedia

漫画の神様手塚治虫による傑作『アドルフに告ぐ』。
たくさんのテーマを織り込んでいるにも関わらず、全く破綻しておらず、大きな時代のうねりに翻弄される人間を見事完璧に描ききっている。
こればかりは読まないわけにはいかない。

 

オールドボーイ  

ごく平凡な生活を送っていた五島慎一はある日突然誘拐され、10年間監禁された。解放された五島が、自分が監禁された理由を解き明かすために奔走する物語。

オールド・ボーイ - Wikipedia

韓国で実写映画化された『オールドボーイ』。
映画版ほど過激ではないが、犯人との心理的な駆け引きを中心とした戦いは面白い。
映画版も原作もそれぞれ面白いので是非読んでみてほしい。

 

バガボンド 

バガボンド(1)(モーニングKC)

バガボンド(1)(モーニングKC)

 

剣豪・宮本武蔵を主人公とし、戦国末期から江戸時代の転換期、剣の時代の終わりがけを舞台にその青春期を描く。巨大な歴史の転換点で、出世の夢が破れた武蔵が剣士として自己を確立しようともがく様、また巌流島で武蔵と決闘したことで有名な佐々木小次郎を筆頭とする、武蔵と関わる複数の武芸者が描かれている。

バガボンド - Wikipedia

宮本武蔵という人物を通して人間の心を描いた作品だ。
アクションよりも心理描写に重きを置いていて、非常に哲学的な内容になっている。真の強さとは何か、ということを突き詰めていく本作は男のバイブルといっても過言ではない。
しかし歴史に忠実ではないので歴史を勉強するために読む漫画ではない。

 

沙流羅 The Legend of Mother Sarah

核戦争で汚染された地球を逃れて生き残った人類は、地球を望む衛星軌道上に住居をかまえた。――7年後、巨大な爆弾を使用して汚染された地球の北半球を冷却し、南半球を居住可能な状態にすることを推進するエポックと、これ以上、地球を傷つけることに反対する、マザー・アースの両派に分かれ対立した。だが、推進強行派により巨大爆弾が使用されると、爆弾の影響が引くのを待たず、地球へ脱走する者が後を絶たなかった。そして、サーラと呼ばれる女性も子供たちを連れ、地球へ向かおうとしていたが…。

https://www.ebookjapan.jp/ebj/234649/

AKIRA』の大友克洋原作のSF漫画。
とにかく内容が濃く、重厚な作品に仕上がっている。
家族愛や世界の抱える問題や未来への警告など、様々なテーマが盛り込まれていて読み応えがある。
絵は緻密で大友に近いし、無駄な描写がなく完成度は高い。

 

軍鶏

自分の両親を刺殺した優等生の少年・成嶋亮が少年院に入り、そこで出会った空手の達人・黒川健児に師事して「生き残るための空手」を身につけ出所してからは格闘界に入り、無軌道なバトルを繰り広げてゆく。

軍鶏 (漫画) - Wikipedia

いわゆる格闘技漫画。 あらゆる格闘技漫画の中でも、人間の負の側面にスポットを当てており非常に暗い内容だ。それゆえ単純に「どっちが強い!?」というエンタメとして格闘技を見たい人には向いていない。だがその格闘技を暴力の手段として描かれているのはある意味でリアルであり、そういうものが好きな人は是非読んでほしい。

 

プラネテス

プラネテス(1) (モーニングコミックス)

プラネテス(1) (モーニングコミックス)

 

時代は2070年代(2075年以降)。人類は宇宙開発を進め、月面でのヘリウム3の採掘など、資源開発が商業規模で行われている。火星には実験居住施設もあり、木星土星への有人探査計画も進んでいる。毎日、地上と宇宙とを結ぶ高々度旅客機は軌道上と宇宙とを往復し、宇宙ステーションや月面には多くの人たちが生活し、様々な仕事をしている。しかし、長い宇宙開発の歴史の影で生まれたスペースデブリ(宇宙空間のゴミ。廃棄された人工衛星や、ロケットの残骸など)は軌道上にあふれ、実際にたびたび旅客機と衝突事故を起こすなど、社会問題となっていた。

プラネテス - Wikipedia

テレビアニメ化もされて、傑作漫画は?という話になると必ずと言っていいほど名前が挙がる漫画だ。
宇宙のゴミを回収する仕事を扱っているので、宇宙に興味のない人には取っ付きづらい作品かと思われがちだが、主人公の動機が人類のためでもなんでもなく、自分のためという点を貫いており、その意味であくまで一人の青年の成長ドラマだ。なので誰にでも読みやすい内容になっている。

 

風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)

風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)

 

科学文明の崩壊後、異形の生態系に覆われた終末世界を舞台に、人と自然の歩むべき道を求める少女ナウシカの姿を描く。 

風の谷のナウシカ - Wikipedia

もはや説明不要の傑作。みんなが知っている映画版はあくまで序章にすぎない。
よくこんなもの描けるなというほどのすごい世界観と描写力。映画版を観るならこの漫画版を読んだ方が良い。ただ少し難解で読みにくいかもしれない。だがそれでこそ大人向け。

 

サンクチュアリ

サンクチュアリ(1) (ビッグコミックス)
 

北条彰は六本木周辺を縄張りとする暴力団・北彰会の総長。ある日、北条は組員の田代を伴い、佐倉代議士のスキャンダラスな写真をネタに強請(ゆすり)を計画。その事務所を訪れるが、そこで政治家秘書には珍しい強面(こわもて)の男に追い返されてしまう。田代が事務所に帰った頃、北条は驚いたことにその秘書・浅見千秋と会っていた。そして、北条は浅見と共に国会議事堂を見ながらつぶやく。「オレは、必ずおまえをあの赤絨毯の上に立たせてみせる!」と……… 

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政治漫画。ヤクザ(裏)の世界と政治(表)の世界から日本を変える話。古い漫画なので若干くさいシーンも多いが、それでも十分引き込まれるし、やはりカッコイイ。非常に男臭い作品だ。
ちなみに武井壮も大好きだと言っていた。

 

ヒストリエ 

ヒストリエ(1) (アフタヌーンコミックス)

ヒストリエ(1) (アフタヌーンコミックス)

 

舞台は紀元前、後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作です。蛮族スキタイの出身でありながらそれを知らず、都市国家カルディアでギリシア人養父母に育てられたエウメネスは、そのおかげでギリシア的教養を身につけることとなる。ある日養父がスキタイ人に殺され、自分の出自を知ったエウメネスは奴隷の身分に落とされてしまう。それが彼の波乱の旅の始まりだったのです。

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寄生獣』で世を震撼させた岩明均氏が漫画家としてデビューする前から温めていた物語だけあってクオリティが高い。
なんといっても一番面白いところは、古代ギリシャの街の様子や市民の生活を見れるところだ。ストーリーも展開も寄生獣ほどドラマティックではなく地味だ。だが面白い。

 

ギフト±

ギフト± 1

ギフト± 1

 

女子高生の鈴原環は交友関係を持たず、無為な日々を過ごしているが、裏では凶悪犯を解体し、正規のルートでは臓器移植を行えない者のために臓器売買を行っていた。その彼女を巡り事件が起きる中、阿藤は臓器売買の事件の真相に迫るも元同業者の加藤警部に殺害されてしまう。彼の遺志を継いだ恋人・桜田と暴露記事を潰された気鋭の記者・廣瀬直也が臓器売買と「たまき」を巡る事件を追う。

ギフト± - Wikipedia

臓器売買をテーマに扱ったハードな内容だ。
フィクションではあるが、変な特殊能力もないし、ありえないキャラクターも出てこない。変なおふざけもなく、エログロ描写がある大人向けの漫画である。

 

 

まだまだおすすめの漫画はあるが、今日はこの辺で止めておく。
こうやって列挙してみるとわかるが、ハードな漫画ばっかりだな。
TVでもなんでもそうだが、やはりエンタメはモラルが壊れてる方が面白い。