愚かなる独白

ろくでなしの雑記

映画『ATM』を観たけど駄作すぎワロタ

ATM [DVD]

 

Netflixで『ATM』を観た。
ストーリーは単純で、主人公の男とその同僚の男と女の3人が、ATMに金をおろしにいくと、外にファーコートを着た『ウシジマくん』の肉蝮みたいな男が突っ立ていた。そしてその男はどうやらこっちを狙っているらしくて超怖い。って話です。

観終わってからネットで評価を調べてみたところ、最悪の評価。
ネタバレありなので観たい人はまず観てから読んでください。

この映画を観た人誰もが感じるところだと思いますが、まず主人公たちの行動が馬鹿すぎる。ATMから一向に出ないのです。要は全く逃げようとしない。まぁ後半主人公の同僚一人が逃げ出しますが、その時にはもう、『悪の法則』みたいな感じで道にワイヤーが張られていて逃げるのに失敗します。他に逃げるタイミングがいくらでもあったのになぁ。

そもそも一対一ならまだしも、こっちは男二人いるわけですから、勝てんじゃね?と思ったんですが無理なのかな……。僕は観てて真っ先に「やっちまえよ」と思ったんですが。まぁはじめは相手が銃を持ってるかもしれないとかで近寄れないのはわかりますが、そのあと犯人はなんの武器も持っていないことがわかったんだから戦えばいいし、戦うのがいやでも走って逃げられると思います。厚着してて足も遅いし。

そして何よりみんなが不満に感じるところですが、犯人の目的がわからないことですよ。最後まで目的は明かされないんですよね。

犯人が監視カメラの写っている範囲や周辺の建物などをしっかり調べていたことが映像的に説明されるので、犯人は計画的に何かをやっていたことは確か。そしてラストにまた新たな場所の設計図を作っていたので、目的は人物にあるわけではない。つまりはじめから主人公がターゲットで復讐のために襲われたわけではないだろうということ。主人公がターゲットならこんな回りくどいやり方をする必然性がないからです。おそらく場所そのものがターゲットって感じなんだと思います。つまり愉快犯。

主人公はカメラのおかげで助かるかと思いきや、カメラのせいで殺人犯に仕立て上げられるわけですから、防犯カメラは無意味だということを立証したいとかそんな感じ。とにかく愉快犯だと思います。

でも、だとするとおかしいのは、犯人は最後主人公を殺そうとしてますよね。多分。でもそこで警察が来て犯人は逃げる。だとすると、主人公を殺人犯に仕立て上げることが目的ではなかったということですよね。ならやっぱり犯人はただの快楽殺人者ということなんですかね。でも快楽殺人なら、犯人は男なのでターゲットは女になる可能性が高いし、何よりあんな回りくどいやり方は意味がない。捕まるリスクも高い。

犯人の計画はおざなりすぎるんです。偶然が重なったから成功しただけですからね。だって本来なら主人公たちは携帯電話をもっているはずなので、通報されて終わり(たまたま持ってなかっただけ)。警察が通りかかる可能性もある。警察ではなくても自分よりも(犯人よりも)強い男がATMに来る可能性もある。警備員が来たけど、たまたま勝っただけで、もしかすると負けた可能性もある。立地的にも周りが広すぎてどこからか誰か見てる可能性もある。つまりあんなのは計画とは言えないんですよね。

作り手はおそらく、設定をまず考えて、それに都合のいいようにストーリーを展開していってますが、これではエンターテイメントとして成立しません。

我々観客が普通に思いつく打開策、例えば通報するとか、警報機を鳴らすとか、走って逃げるとか、戦って倒すとか。それらをキャラクターが行うが、それを上回る犯人の作戦によって主人公たちが追い込まれる。という展開にしないとエンタメにならないでしょう。本作は、いい加減な犯人の計画があり、それを成立させるために都合の良い展開にどんどんされていく。そりゃ観てる側はイライラしますわな。つまりもっと脚本を練り込む余地があるってこと。

そして何よりも、犯人の目的や動機をもう少し説明したほうがいいですね。
この犯人が登場して観客がまず思うことは、犯人の目的は何だろうということなので、説明しないとスッキリしないでしょう。じゃないと観客にこの映画を観たのは時間の無駄だと思われるだけですよ。

そもそもこの手の映画は何かメッセージ性を込めたものでもなく、ただのシチュエーションスリラーですから。そんな映画で”観客に考えさせる”みたいな結末はいらないし無意味。どうせ深い意味なんてないんだから。どうせ思いつきで作った作品だってみんなわかってるんだから。

あぁあと序盤の主人公と女の薄い恋愛要素はいらないし、パーティーシーンもいらない。そして30分くらいの短編にすればよかった。

まぁ点数をつけるとしたら100点満点中30点以下。

五月病を吹っ飛ばす青春映画10選!!

五月病って一体なんだ。甘えんじゃねえって話ではありますが、そんなこと言っててもしょうがない。ということで、僕がお勧めする、五月病を吹っ飛ばす力のある映画を10本紹介します。

桐島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

 

とある田舎町の県立高校映画部に所属する前田涼也(神木隆之介)は、クラスの中では地味で目立たないものの、映画に対する情熱が人一倍強い人物だった。そんな彼の学校の生徒たちは、金曜日の放課後、いつもと変わらず部活に励み、一方暇を持て余す帰宅部がバスケに興じるなど、それぞれの日常を過ごしていた。ある日、学校で一番人気があるバレー部のキャプテン桐島が退部。それをきっかけに、各部やクラスの人間関係に動揺が広がり始めていく。

桐島、部活やめるってよ - 作品 - Yahoo!映画

これを見ると、周りに流されずに自分の好きなことを突き詰めて頑張ろう、という気分にさせられる。

ソーシャルネットワーク  

2003年、ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグジェシー・アイゼンバーグ)は、学内で友人を増やすためのサイトを親友のエドゥアルド・サヴェリン(アンドリュー・ガーフィールド)と共に立ち上げる。サイトは瞬く間に学生たちの間に広がり、ナップスター創設者ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)との出会いを経て、社会現象を巻き起こすほど巨大に成長していくが……。 

ソーシャル・ネットワーク - 作品 - Yahoo!映画

 僕は多分、この映画を見た時が一番仕事をしようという気になるかもしれない。起業家なんかは絶対これ見るべきだろうな。

ファイトクラブ

不眠症に悩む若きエリートのジャック。彼の空虚な生活は謎の男、タイラーと出会ってから一変する。自宅が火事になり、焼け出されたジャックはタイラーの家へ居候することに。「お互いに殴り合う」というファイトにはまっていく二人のもとに、ファイト目当ての男たちが集いあうようになる。そして秘密組織"ファイト・クラブ"がつくられた! 

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僕のオールタイムベストかもしれない映画。自分の足で歩いていこうという気にさせられるし、もっと自信を持てと応援されているような気がする素晴らしい映画。「俺を信じろ。これからはすべて良くなる」

ショーシャンクの空に 

 妻とその愛人を射殺したかどでショーシャンク刑務所送りとなった銀行家アンディ。初めは戸惑っていたが、やがて彼は自ら持つ不思議な魅力ですさんだ受刑者達の心を掴んでゆく。そして20年の歳月が流れた時、彼は冤罪を晴らす重要な証拠をつかむのだが……。

ショーシャンクの空に - 作品 - Yahoo!映画

この映画で描かれる刑務所は人生の比喩である。嫌な環境でもそれを楽しめるかどうかは自分次第であり、自由になるべく努力しよう。そんなメッセージを感じた。

バクマン 

バクマン。DVD 通常版

バクマン。DVD 通常版

 

優れた画力を持ちながら将来の展望もなく毎日を過ごしていた高校生の真城最高佐藤健)は、漫画原作家を志す高木秋人神木隆之介)から一緒に漫画家になろうと誘われる。当初は拒否していたものの声優志望のクラスメート亜豆美保への恋心をきっかけに、最高はプロの漫画家になることを決意。コンビを組んだ最高と秋人は週刊少年ジャンプ連載を目標に日々奮闘するが……。

バクマン。 - 作品 - Yahoo!映画

純粋に、夢に向かって努力する姿がドライブするように描かれているので、熱くなれるし、自分も頑張ろうと思える。

リンダリンダリンダ

リンダリンダリンダ [DVD]

リンダリンダリンダ [DVD]

 

とある地方都市にある芝崎高校。文化祭・ひいらぎ祭の前日に、恵(香椎由宇)、響子前田亜季)、望(関根史織)の3人は途方に暮れていた。高校生活最後の文化祭のためにオリジナル曲を作って練習を重ねてきたのに、ギターの萌が指を骨折してしまったのだ。

リンダ リンダ リンダ - 作品 - Yahoo!映画

生々しくリアルな高校生活。今を全力で生きようという気分にさせてくれる。そしてやっぱりラストのクオリティの低い演奏には思わず感動。 

マネーボール 

プロ野球選手で短気な性格のビリー・ビーンブラッド・ピット)は、アスレチックスのゼネラルマネージャーに就任する。チームはワールド・チャンピオンになるには程遠い状態で、優秀な選手は雇えない貧乏球団だった。あるとき、ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)というデータ分析にたけた人物との出会いをきっかけに、「マネーボール理論」を作り上げる。しかし、「マネーボール理論」に対し選手や監督からは反発を受けてしまい……。

マネーボール - 作品 - Yahoo!映画

 何かを新しく始めることの難しさや楽しさ、喜びを教えてくれる素晴らしい映画。若者は特に見た方がいいと思う。 

ハッピーフライト

ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]

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副操縦士の鈴木(田辺誠一)は、機長昇格の最終訓練である乗客を乗せて飛ぶ実地試験でホノルルに向けて飛び立つことになる。彼は試験教官として同乗する威圧感たっぷりの機長の原田(時任三郎)を前に緊張感を募らせていた。そんな中、キャビンアテンダントの斎藤(綾瀬はるか)は夢にまで見た国際線フライトに臨み、緊張感がピークに達していた。 

ハッピーフライト - 作品 - Yahoo!映画

僕は見たことありません。

ザ・エージェント

スポーツ・エージェントのジェリーは、選手の年俸をつり上げるだけのやり方に疑問を持ち、会社に提言書を提出した。だがクビになってしまい、彼はただ一人共感してくれた会計係のドロシーと共に独立するが、クライアントは、落ち目になったアメリカン・フットボールの選手ロッドだけだった……。

ザ・エージェント - 作品 - Yahoo!映画

仕事とは何か、人生とは何かということについて考えさせてくれる。

パッチギ! 

パッチギ! (特別価格版) [DVD]

パッチギ! (特別価格版) [DVD]

 

1968年、京都。高校2年生の康介(塩谷瞬)は、担任からの指示で親友の紀男(小出恵介)と敵対する朝鮮高校に親善サッカーの試合を申し込みに行く。そこで康介は音楽室でフルートを吹くキョンジャ(沢尻エリカ)に一目惚れするが……。 

パッチギ! - 作品 - Yahoo!映画

 ネトウヨの連中はこの映画に怒ってたりするけど、普通に傑作なんだよなぁ。一人の日本人と一人の朝鮮人の恋愛が切なくも美しいわけですわ。おーん。

喧嘩最強の主人公が登場する不良漫画『デビル』

DEVIL (ヤングキングコミックス)

 不良漫画の『ゲバルト』や、長瀬智也でドラマ化もされた『クロコーチ』などの作者コウノコウジの漫画『DEVIL デビル』を紹介したい。これには『実話ナックルズ』元編集長の久田将義が原案協力をしている。

 この漫画は『ヤングキング』で2013年の8号から3号連続で不定期連載されたもので、俺は連載されている時から読んでいて、わりと面白いと思っていた。残念ながら続きは未だに描かれていないが、人気ないのかなぁ。面白いのに。ぜひ頭の悪い人にオススメしたい。

あらすじ

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『邪鬼』という暴走族でパシリをしているトシは、総長のクレイジーショーの恐ろしさを何度も目の当たりしており、心底怯えていた。ある日族の集会で、いつものようにコンビニに買い物に行かされるトシ。レジの前にいると背後に長髪で目つきの悪い大男が立っていた。「ちょっとツラ貸せ」そう言ってその大男はトシを車に乗せる。トシがどこへ行くのか聞くと、男は邪鬼の集会に行くと言う。集会場についたら男は車を止めずに、そのまま族のメンバーを次々に跳ねていった……。

 

フリが効きすぎてて面白い

この漫画何が面白いって、邪鬼の集会に乗り込む表紙の男と、総長のクレイジーショーとのタイマンまでのフリが完璧すぎてめちゃめちゃワクワクすること。ストーリーはあってないようなものだし、設定も誰でも思いつく程度のものだが、演出が上手くて読ませられる。不良がどうとか暴走族がどうとか、非常に子供っぽくて馬鹿らしいが、読んでるとドキドキした。

 

色々極端すぎて面白い

キャラクターの強さとか悪さとかを紹介するエピソードが、考えつく限りの無茶苦茶っぷりで逆にスッキリする。他の不良漫画を読んでいて、喧嘩の仕方とか悪さの度合いが大したことないと思うことが多い。「そこで目突けよ」とか「噛みつけよ」とか思うのに、それをやらないから消化不良を起こす感じだ。だがこの漫画に関してはこっちが「こうすればいいじゃん」とか「ああすればいじゃん」みたいに思わないから読みやすい。

 

主人公がただの化け物で面白い

主人公は一応パシリのトシだが、ここで言ってるのは表紙の男のこと。面倒だから名前を書くけど表紙の男はブラッティという名前だ。このブラッティの化け物っぷりが快感。戦い方は典型的な”喧嘩の強い奴”の戦い方で、そのメンタルとか攻撃のエグさもヤバイし、なんか絶対死ななそうな雰囲気が最高。

 

欠点は全体的にダサいこと

台詞回しとかはバカっぽいし、なんか全体的に中学生が描いたみたいな感じではある。要はダサイのだ。でも絵は見やすいし、キャラクター自体は良いし、喧嘩シーンもあっさりしていて緊張感がある。でも不良漫画が嫌いな人にとっては失笑ものかもね。

 

とまぁこんな感じで、結構面白いのだが続きは描かれていない。この漫画一冊ではブラッティの情報はほとんどないし、最後は突然終わる感じだ。実際、続きも全然描けるし、もっと話を広げることも可能なので是非描いて欲しいのだが、その為にはもっと売れないとダメなのだろう。だから俺がここで紹介して広めておく。 

DEVIL (ヤングキングコミックス)

DEVIL (ヤングキングコミックス)

 
ルーザー (ヤングキングコミックス)

ルーザー (ヤングキングコミックス)

 
クロコーチ(1) (ニチブンコミックス)

クロコーチ(1) (ニチブンコミックス)

 

【大人向け】おすすめの超絶面白い漫画15選

巷で流行りの漫画は殆どが子供向けの漫画ばかり。だがこの日本には世間にはあまり知られていない、真に大人向けの漫画がたくさん存在している。今日はそんな超面白い大人向けの漫画を15作品ほど紹介したいと思う。

 

真説ザ・ワールドイズ・マイン

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス)

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス)

 

 東京都内各所で消火器爆弾を設置するモンちゃんとトシの二人組(通称トシモン)は、これといった理由もなく北海道を目指す。その道中、青森県で成り行きから連続爆破、警察署襲撃、殺人代行といった日本全土を震撼させる無差別殺戮を開始する。それは内閣総理大臣までも舞台へと引きずり出す大きな勢いとなる。時期を同じくして、北海道から津軽海峡を渡ったといわれる謎の巨大生物「ヒグマドン」が出現し、次々に人々を惨殺して東北を南下していった。「鉄人」とも呼ばれる熊撃ちの老人と、新聞記者がそれを追いかける。そして遂に3つの点が秋田県大館市で遭遇する。ここで初めてヒグマドンの全貌が明かされ、物語はアメリカ大統領すら巻き込む全世界レベルで進行していく。

ザ・ワールド・イズ・マイン - Wikipedia

紛れもない傑作。 これを初めて読んだ時の衝撃はすごかった。
非常に良くできており、映画からの引用も多い作品。
目を覆いたくなるような過激な描写も多く、人を選ぶ可能性大だが、読んでおいて損はない。

 

マンホール 

 12月のある夕暮れ、神奈川県笹原市の中央商店街に、右目が白濁した泥だらけの全裸の男が出現。道を行く大学生の男に「マ、マ」と語りかけた後突如吐血した。男はパニックに陥った大学生によって押し倒され、後頭部を強打して死亡した。検死に回されたその男の遺体から検出されたのは、謎の寄生虫だった。
 翌日、現場に落とした携帯から警察への出頭を要請された大学生、雨宮は、事情聴取の最中に突如警察署を抜け出し、署の前の道路で車に跳ねられて死亡。砕け散った遺体から這い出てきたのは、またも謎の寄生虫だった。
 笹原警察署の刑事である溝口健と井上菜緒は、全裸で変死した堀川義人の母親を訪ね、息子のギャンブルと暴力に耐えかねた両親が彼をある『施設』へ預けたことを知る。母親が唯一知っていた、その『施設』への引渡し場所へと赴くと、そこには奇妙な『マンホール』があった。そのマンホールの下に、彼らが見たものとは…!?

マンホール (漫画) - Wikipedia

寄生虫を利用した犯罪事件と、それを追う警察の攻防を描いた、バイオ・ホラー作品。
2009年に第1巻が有害図書に指定された衝撃作であるが、単にエグいだけの作品ではなく、社会派で重々しいテーマを扱っている。その意味で好き嫌いは分かれそうだ。だが完成度は高い。

 

 フロムヘル  

フロム・ヘル 上

フロム・ヘル 上

 

 1888年のロンドンが舞台。残虐な娼婦連続殺人事件が発生し、アバーライン警部が捜査に当たる。数年前に妻子を亡くしてから無気力、そして刹那的に生きていた彼は、捜査の途中で出会った赤毛の娼婦メアリーと惹かれあうようになる。被害者たちの知られざる共通項と、この殺人事件の裏にフリーメイソンが関わっているのを嗅ぎ付けたアバーライン警部だが、殺人者の手はメアリーにも伸びていた。

次はグラフィックノベルだ。グラフィックノベルとは従来の漫画とは違って文学的な内容を含んでいる。その数あるグラフィックノベルの中でも代表作であるアランムーアのフロムヘルを紹介したい。
日本の漫画とは異なり、コマの大きさや形が殆ど均一で、文芸作品のような味わい深さがある。
細部に込められた意味とニュアンスを読み解き、周到に埋め込まれた伏線を味わい尽くす紛れもない大人向けコミックだ。最高のストーリーテリングと最高の衝撃を感じたい人におすすめする。

 

リアル

 車いすバスケットボールの有力選手であり、元々はピアニストであり短距離走の有力選手であったが骨肉腫により右脚を切断、その後車イスバスケと出会い、様々な挫折や困難と闘っていく戸川清春
 小学校から高校までバスケに打ち込んでいたが、交通事故により他人を下半身不随にしてしまいその罪に苛まれ高校も中退してしまうが、戸川との出会いをきっかけにバスケットボールを中心として新たな自分の道を見出そうとする野宮朋美
 野宮の同級生でバスケ部のチームメイトであり、小学校からバスケに携わっていたが、交通事故により下半身不随になりそれを受け入れることができず、野宮と衝突するなど自尊心の強い性格であったが様々な人々との出会いにより少しずつ自分を変え、新たに車イスバスケに自分の活路を見出そうとする高橋久信
 以上の三名を中心に、現実に起こる困難と闘っていく描写に焦点が当てられる。キャッチコピーは「それぞれが向き合う現実 REAL――」。

リアル (漫画) - Wikipedia

車椅子バスケを扱っているが、それがメインというより、障害者や社会からはみ出した人間を扱った人間ドラマだ。
生々しく”リアル”を突きつけられるので読んでいて辛い部分もあるが、陳腐な言葉を使えば、非常に良く考えさせられるし感動的だ。
スラムダンクが陽だとするならリアルは陰なのかもしれない。
この漫画は大人でないと楽しめないだろう。

 

ホムンクルス 

ホムンクルス(1) (ビッグコミックス)
 

 新宿西口の一流ホテルとホームレスが溢れる公園の狭間で車上生活を送るホームレス・名越進は、医学生・伊藤学に出会い、報酬70万円を条件に第六感が芽生えるというトレパネーションという頭蓋骨に穴を開ける手術を受けることになった。その手術以降、名越は右目を瞑って左目で人間を見ると、異様な形に見えるようになった。伊藤によると「他人の深層心理が、現実のようにイメージ化されて見えているのではないか」と言い、彼はその世界をホムンクルスと名付けた。そして、名越は様々な心の闇を抱える人達と交流していく。

ホムンクルス (漫画) - Wikipedia

あの衝撃作『殺し屋1』を描いた山本英夫の『ホムンクルス』。
殺し屋1』と同じように、やはり主人公は鬱屈した人間像で、ジメジメした嫌な話であるが、シュールな設定がリアリティ溢れる描写によって上手くまとまっている。
人間の心の歪みを追求していく過程は緊張感のあるミステリーに仕上がっていて引き込まれる。

 

アドルフに告ぐ

アドルフに告ぐ 1
 

 第二次世界大戦前後のドイツにおけるナチス興亡の時代を背景に、「アドルフ」というファーストネームを持つ3人の男達(アドルフ・ヒットラー、アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミルの3人)を主軸とし「ヒトラーユダヤ人の血を引く」という機密文書を巡って、2人のアドルフ少年の友情が巨大な歴史の流れに翻弄されていく様と様々な人物の数奇な人生を描く。

アドルフに告ぐ - Wikipedia

漫画の神様手塚治虫による傑作『アドルフに告ぐ』。
たくさんのテーマを織り込んでいるにも関わらず、全く破綻しておらず、大きな時代のうねりに翻弄される人間を見事完璧に描ききっている。
こればかりは読まないわけにはいかない。

 

オールドボーイ  

ごく平凡な生活を送っていた五島慎一はある日突然誘拐され、10年間監禁された。解放された五島が、自分が監禁された理由を解き明かすために奔走する物語。

オールド・ボーイ - Wikipedia

韓国で実写映画化された『オールドボーイ』。
映画版ほど過激ではないが、犯人との心理的な駆け引きを中心とした戦いは面白い。
映画版も原作もそれぞれ面白いので是非読んでみてほしい。

 

バガボンド 

バガボンド(1)(モーニングKC)

バガボンド(1)(モーニングKC)

 

剣豪・宮本武蔵を主人公とし、戦国末期から江戸時代の転換期、剣の時代の終わりがけを舞台にその青春期を描く。巨大な歴史の転換点で、出世の夢が破れた武蔵が剣士として自己を確立しようともがく様、また巌流島で武蔵と決闘したことで有名な佐々木小次郎を筆頭とする、武蔵と関わる複数の武芸者が描かれている。

バガボンド - Wikipedia

宮本武蔵という人物を通して人間の心を描いた作品だ。
アクションよりも心理描写に重きを置いていて、非常に哲学的な内容になっている。真の強さとは何か、ということを突き詰めていく本作は男のバイブルといっても過言ではない。
しかし歴史に忠実ではないので歴史を勉強するために読む漫画ではない。

 

沙流羅 The Legend of Mother Sarah

核戦争で汚染された地球を逃れて生き残った人類は、地球を望む衛星軌道上に住居をかまえた。――7年後、巨大な爆弾を使用して汚染された地球の北半球を冷却し、南半球を居住可能な状態にすることを推進するエポックと、これ以上、地球を傷つけることに反対する、マザー・アースの両派に分かれ対立した。だが、推進強行派により巨大爆弾が使用されると、爆弾の影響が引くのを待たず、地球へ脱走する者が後を絶たなかった。そして、サーラと呼ばれる女性も子供たちを連れ、地球へ向かおうとしていたが…。

https://www.ebookjapan.jp/ebj/234649/

AKIRA』の大友克洋原作のSF漫画。
とにかく内容が濃く、重厚な作品に仕上がっている。
家族愛や世界の抱える問題や未来への警告など、様々なテーマが盛り込まれていて読み応えがある。
絵は緻密で大友に近いし、無駄な描写がなく完成度は高い。

 

軍鶏

自分の両親を刺殺した優等生の少年・成嶋亮が少年院に入り、そこで出会った空手の達人・黒川健児に師事して「生き残るための空手」を身につけ出所してからは格闘界に入り、無軌道なバトルを繰り広げてゆく。

軍鶏 (漫画) - Wikipedia

いわゆる格闘技漫画。 あらゆる格闘技漫画の中でも、人間の負の側面にスポットを当てており非常に暗い内容だ。それゆえ単純に「どっちが強い!?」というエンタメとして格闘技を見たい人には向いていない。だがその格闘技を暴力の手段として描かれているのはある意味でリアルであり、そういうものが好きな人は是非読んでほしい。

 

プラネテス

プラネテス(1) (モーニングコミックス)

プラネテス(1) (モーニングコミックス)

 

時代は2070年代(2075年以降)。人類は宇宙開発を進め、月面でのヘリウム3の採掘など、資源開発が商業規模で行われている。火星には実験居住施設もあり、木星土星への有人探査計画も進んでいる。毎日、地上と宇宙とを結ぶ高々度旅客機は軌道上と宇宙とを往復し、宇宙ステーションや月面には多くの人たちが生活し、様々な仕事をしている。しかし、長い宇宙開発の歴史の影で生まれたスペースデブリ(宇宙空間のゴミ。廃棄された人工衛星や、ロケットの残骸など)は軌道上にあふれ、実際にたびたび旅客機と衝突事故を起こすなど、社会問題となっていた。

プラネテス - Wikipedia

テレビアニメ化もされて、傑作漫画は?という話になると必ずと言っていいほど名前が挙がる漫画だ。
宇宙のゴミを回収する仕事を扱っているので、宇宙に興味のない人には取っ付きづらい作品かと思われがちだが、主人公の動機が人類のためでもなんでもなく、自分のためという点を貫いており、その意味であくまで一人の青年の成長ドラマだ。なので誰にでも読みやすい内容になっている。

 

風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)

風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)

 

科学文明の崩壊後、異形の生態系に覆われた終末世界を舞台に、人と自然の歩むべき道を求める少女ナウシカの姿を描く。 

風の谷のナウシカ - Wikipedia

もはや説明不要の傑作。みんなが知っている映画版はあくまで序章にすぎない。
よくこんなもの描けるなというほどのすごい世界観と描写力。映画版を観るならこの漫画版を読んだ方が良い。ただ少し難解で読みにくいかもしれない。だがそれでこそ大人向け。

 

サンクチュアリ

サンクチュアリ(1) (ビッグコミックス)
 

北条彰は六本木周辺を縄張りとする暴力団・北彰会の総長。ある日、北条は組員の田代を伴い、佐倉代議士のスキャンダラスな写真をネタに強請(ゆすり)を計画。その事務所を訪れるが、そこで政治家秘書には珍しい強面(こわもて)の男に追い返されてしまう。田代が事務所に帰った頃、北条は驚いたことにその秘書・浅見千秋と会っていた。そして、北条は浅見と共に国会議事堂を見ながらつぶやく。「オレは、必ずおまえをあの赤絨毯の上に立たせてみせる!」と……… 

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政治漫画。ヤクザ(裏)の世界と政治(表)の世界から日本を変える話。古い漫画なので若干くさいシーンも多いが、それでも十分引き込まれるし、やはりカッコイイ。非常に男臭い作品だ。
ちなみに武井壮も大好きだと言っていた。

 

ヒストリエ 

ヒストリエ(1) (アフタヌーンコミックス)

ヒストリエ(1) (アフタヌーンコミックス)

 

舞台は紀元前、後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作です。蛮族スキタイの出身でありながらそれを知らず、都市国家カルディアでギリシア人養父母に育てられたエウメネスは、そのおかげでギリシア的教養を身につけることとなる。ある日養父がスキタイ人に殺され、自分の出自を知ったエウメネスは奴隷の身分に落とされてしまう。それが彼の波乱の旅の始まりだったのです。

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寄生獣』で世を震撼させた岩明均氏が漫画家としてデビューする前から温めていた物語だけあってクオリティが高い。
なんといっても一番面白いところは、古代ギリシャの街の様子や市民の生活を見れるところだ。ストーリーも展開も寄生獣ほどドラマティックではなく地味だ。だが面白い。

 

ギフト±

ギフト± 1

ギフト± 1

 

女子高生の鈴原環は交友関係を持たず、無為な日々を過ごしているが、裏では凶悪犯を解体し、正規のルートでは臓器移植を行えない者のために臓器売買を行っていた。その彼女を巡り事件が起きる中、阿藤は臓器売買の事件の真相に迫るも元同業者の加藤警部に殺害されてしまう。彼の遺志を継いだ恋人・桜田と暴露記事を潰された気鋭の記者・廣瀬直也が臓器売買と「たまき」を巡る事件を追う。

ギフト± - Wikipedia

臓器売買をテーマに扱ったハードな内容だ。
フィクションではあるが、変な特殊能力もないし、ありえないキャラクターも出てこない。変なおふざけもなく、エログロ描写がある大人向けの漫画である。

 

 

まだまだおすすめの漫画はあるが、今日はこの辺で止めておく。
こうやって列挙してみるとわかるが、ハードな漫画ばっかりだな。
TVでもなんでもそうだが、やはりエンタメはモラルが壊れてる方が面白い。

狂った漫画を読みたい人はとりあえずこれを読むのだ!【松本次郎】

革命家の午後

  みなさんは松本次郎という漫画家を知っていますか?


 松本次郎は僕が崇拝する漫画家の一人だ。特徴を一言で言い表すと「尖ってる」という感じだろうか。とにかく尖っていて狂っている。登場人物は基本的にキチガイばかりで、漫画の内容も難解なものが多い。

 内容もさることながら、絵柄も独特だ。線が2重3重に重なってて、乱雑に描き殴ったように見える。だが実はよく描き込んでいて、こだわりがあるように思う。それでもおそらくほとんどの人にとって受け入れがたい画風だろう。

『べっちんとまんだら』から

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 しかし、そんな狂った世界を狂った絵柄で作り出す松本次郎は、とてつもない魅力にあふれている。

 僕が一番初めに読んだ彼の作品は『フリージア』という漫画だった。

フリージア(1) (IKKI COMIX)

フリージア(1) (IKKI COMIX)

 

  何か面白い漫画はないかと探していて、たまたま見つけた『フリージア』。これを読んだ時、なんだかヒリヒリする感覚を覚えた。心がヒリヒリするような独特の感覚だった。緊張感が強すぎて居心地の悪いような。かといって不快というわけでもなく、読んでいる内に癖になる妙な体験だった。

 それから僕は松本次郎作品を読み漁った。そこでわかったことは、この作家は映画が好きなのだろうということだった。表現がとにかく映像的だ。二つ以上の場面を同時進行で描くカットバックという手法をよく使うし、ズームイン、ズームバックを上手く使い状況説明している。さらに、静と動の緩急をつけることで緊迫感を出すのが上手い。

『地獄のアリス』 1巻から

f:id:utakahiro:20160814184424j:plain
引用元(http://comic-twitter.blog.so-net.ne.jp/jigokunoalice

 

 そして僕が個人的に思ったことだが、短編の切れ味が凄いということ。

 そこで今回は、松本次郎作品の中でもわりと読みやすい短編を紹介しようと思う。それが一番上にリンクのある『革命家の午後』という漫画だ。

 『革命家の午後』は5本の短編が収録されており、最後にあとがきがある。

 

革命家の午後

アパートに住むマキとの隣の部屋には、エマという革命家がいた。だがある日エマは自殺してしまった。大家に頼まれて彼女の部屋片付けをしていたマキの元に、エマの仲間のユーリという男がやってきた。ユーリはマキのことをエマと勘違いして、マキはエマのふりをすることになった。

革命家の午後2

セルゲイというメガネデブの家に変な女がいて、セルゲイがテロリストと疑われたり、なんやかんやある話。

 

砂漠の魔女

重傷を負った男が砂漠で死にかけていると、目の前に魔女が現れた。喉が渇いていた男が魔女の小便を飲むと傷が治る。そしてなんとか生き残った男だったが……

 

竹山君の日常

吸血鬼であること以外はごく普通の青年である竹山君の日常を描いた作品。

 

雑兵敗走記

戦国モノのお話。合戦で生き残った二人が女の子を見つけて、その女の子を連れ去って、別の奴らに捕まったり、レイプされたり、なんやかんや。

 

と、まぁこんな感じの話が5本あるので気になった人は是非。

革命家の午後

革命家の午後

 
ゆれつづける

ゆれつづける

 


 書いてる途中で疲れてきて適当になったけど、んなもん知るかよ!

 

始めから最後まで鬱展開の漫画『ブラッドハーレーの馬車』

ブラッドハーレーの馬車

 

 この『ブラッドハーレーの馬車』とは、沙村広明が描いた一巻完結の漫画です。実はこの漫画、表紙の綺麗な絵とは対照的に、ものすごく陰鬱な話なんです。いや、表紙の絵もどことなく闇が透けている気もするけど……。


 沙村広明といえば、『無限の住人』が有名ですよね。ストーリー的に見ればそこまで大したものでもないと思うが、戦闘描写は格好良いし、画力が高くて絵が躍動しています。絵を見ているだけでも十分楽しめる作品だと思いますね。

  『ナルト』の作者である岸本斉史は『無限の住人』から多大な影響を受けています。特に初期の頃の絵柄なんて完全コピーですからね。後半にいくにつれて独自の絵柄を確立したと思いますけど。

 話は戻って、『ブラッドハーレーの馬車』の肝心の内容です。

 舞台は架空の国の話。国内有数の資産家であるブラッドハーレーというおっさんがいました。おっさんは、自身の経営する劇団に、劇団員として孤児院の少女たちを引き取っていました。その劇団は孤児院で生活する少女たちにとっては憧れであり、みんな劇団員になりたかったのです。しかし、孤児院から集められていた少女たちは、実は劇団員ではなく、刑務所の無期懲役者に対しての性処理の道具として連れてこられていたのです。

 

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引用元(http://mangayomou.seesaa.net/article/434318558.html


 というお話。
 これが沙村広明の超画力で描かれるわけだからリアルで怖い。そこまでじっくりとではないが、少女が犯される場面も描いています。

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引用元(http://haruhime.blogspot.jp/


 沙村広明が「赤毛のアンのような作品を描きたい」と言って始まった連載ですが、赤毛のアン的な要素はほとんどありません。舞台となる国家も”議員制政治の西洋”ぐらいの設定しか決まっておらず、具体的にどこかを摘発しようとか皮肉ろうなどと考えたわけではありません。つまり、可愛らしい少女が汚らしい男共に蹂躙される場面を描きたかっただけに思います。

 作者は変態なのか?と思うかもしれません。
 はっきり言います。変態です。

 沙村広明は画集などを出していますが、どの絵も女性が画題で、しかもどの女性も残酷な暴力を受けてボロボロになった様ばかりです(「沙村広明 人でなしの恋」で検索)。この『ブラッドハーレーの馬車』は、そんな変態漫画家が描いた漫画なのですから残酷に決まっています。

 漫画は全八話で構成されていて、一話一話別のエピソードが描かれます。例えば第一話はダイアナという少女が売られるエピソードで、第二話はステラというブロンドの少女が売られた後のエピソード、という具合です。

 刑務所に売られる少女が実際に犯される場面を見るのも辛いですが、だんだん弱っていく様や、期待に胸を膨らませて孤児院を出たところで終わったり、読者を精神的にいたぶるような話が続きます。ストーリーも何もありません。

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引用元(http://haruhime.blogspot.jp/


 読んでるとだんだん吐きそうになってくるか、逆にツッコミどころをみつけて気を紛らわすか、ということになると思います。もしくは興奮するか……。

 僕は沙村広明の絵が好きなのでこの漫画を買いました。安定しない繊細な線や、動きのある人物、映像のような臨場感のある構図、といった感じで、情緒的な絵が魅力です。そして、どんな角度からも描ける人なので、このような残酷で救いのない話でも絵を見ているだけで読めてしまいます。

 さらに優れている点といえば、説明的でないところ。漫画というのは視覚的に訴える表現物ですから、台詞で説明したりナレーションで説明したりしないのが基本です。沙村広明はそれが出来ていて、一コマ入れるだけで状況を表したり、キャラクターの表情一つで心情を表現しようとします。つまり読者にも読み解く努力を要求するのです。僕はそれこそが本来の漫画だと思っているので、説明的でない演出をされるとつい嬉しくなります。

 とにかく、読んでみたいと思う人は是非買って読んでみてください。作者の画力の高さや演出力の高さに驚くと共に、内容の残虐性に吐き気を催すことでしょう。

 

なぜかKindle版しかないんだが……。

ブラッドハーレーの馬車

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 しかし沙村広明はコメディも描けるから驚きですわ